山口 和敏

熊本を拠点に、テレビディレクター・ライターとして30年以上活動。 2019年、希少がん「上顎洞がん」で余命6か月を宣告される。抗がん剤、放射線、14時間におよぶ手術を経て右目を失ったが、「どうせなら楽しんでしまおう」と開き直り、ブログとYouTubeで発信をつづけている。 現在は動画制作コンサルおよびビジネスコンテンツライターとして活動しながら、がん患者の「仕事と治療の両立」や前向きな生き方を届けることをライフワークにしている。 片目になってからLeicaを手に取り、光と影の中に生きる力を探す写真の世界にも夢中になった。失ってはじめて、世界の"本当の表情"が見えてきた気がしている。 クラウドファンディングによる出版にも挑戦予定。 病気になっても、失っても、人生は終わらない——その希望を、誰かに届けたい。

石器

エッセイ

病気をめぐる言葉の力

2021/8/6    ,

病気をめぐる医者との会話で、「医者はまずリスクを語る」ということを、あらかじめ知っておくべきです。 なぜなら、そのことを知っているだけで――余計な心の沈み込みを、ほんの少しでも減らすことができるからで ...

わたし

エッセイ

怪物の嫉妬について

2021/8/5    

鼻からの管を通した食事を卒業し、お粥が食べられるようになったころ、「こんな美味しい食べ物が世の中にあったのか!」と感動すら覚えていたのに、慣れてしまうと―― 「こんな水浸しの米ばっかり、食えるか!」 ...

ふく

エッセイ

退院と手術跡を食べるキンカチョウの話

2021/8/2    ,

 退院しました。 当日は、パートナーが仕事を休んで駆けつけてくれました。目がなくなり、つぎはぎだらけで、パンパンに腫れあがった顔を見たパートナーは、予想通りの爆笑。しゃべるとさらに大爆笑でした。 「お ...

柔らかくてかわいいもの

エッセイ

入院生活の私的心得

2021/7/28    

 同じ状況の患者さんが2人いて、同じ治療を受けていたとしても、入院中の過ごし方ひとつで、回復のスピードは大きく変わるようです。 逆に――絶対にやってはいけないことがあります。 それは、女性ナースへのセ ...

アイスクリーム

エッセイ

続・ものを食べるということ

2021/7/25    

口からの食事になって2日目。きょうは刻んだ食材にとろみをつけた軟食をいただきます。 課題だった「飲み込み」も問題なくクリアし、食事はばっちり。これで退院が一日近づいた、と気が緩んでしまったのが、……い ...

病院食

エッセイ

ものを食べるということ

2021/7/24    

手術から2週間。いよいよ、口でものを食べるところまでやってきました。 もちろん通常の食事ではなく、細かく砕かれた流動食。でもこの流動食、よくできているんです。細かくされる前に“何だったのか”が、ちゃん ...

はまじい

エッセイ

きょうもひと浴びいきましょう

2021/7/21    

海辺に住んでいることを知った、私が後に「ハマジイ」と呼ぶことになるそのおじいちゃんは、ある日、病棟の廊下の真ん中でちょっともじもじしながら、私が来るのを待っていました。 「(放射線に一緒に行こう)」 ...

談話室の置物

エッセイ

頑固なおじさん

2021/7/20    ,

手術から間もなく2週間。まだ痛みはあるものの、薬でしっかりコントロールできていて、体調はばっちり。仕事も順調にこなしています。 こうして余裕が出てくると、病棟で繰り広げられる楽しい人間模様が、目や耳に ...

サムズアップ

エッセイ

がん治療の私的心得

2021/7/19    ,

「悪性腫瘍が見つかりました。これから検査を受けていただき、治療方法などを話し合っていきたいと思います」 気の利いた医者であれば、 「一緒にがんばりましょう」 のひと言があるかもしれません。それくらい、 ...

眼帯

エッセイ

メタモルフォーゼ

2021/7/16    ,

人は、多くの時間を“身だしなみ”に費やします。最近では、男性も女性も関係なく、鏡の前で髪や顔を触っている時間が長いんだそうです。 実はこれ、人として当然のこと。身だしなみは、他人とのコミュニケーション ...