山口 和敏

熊本を中心にテレビディレクターとして30有余年。哲学を専攻。今も「人間とは…」「生命とは…」といった空恐ろしいことを問い続けながら、幅広いジャンルの番組制作に携わっています。 およそ2年前、「上顎洞がん」というけったいな希少がんに罹患し、余命6か月の宣告を受ける。 抗がん剤治療や放射線治療、12時間に及ぶ手術といったほぼフルコースのがん治療で右目を失うという過酷な闘病の中、脳のわずかな場所が生み出す絶望や苦悩にも関わらず、70兆個にもおよぶ肉体が持つ、生命の尊さと力強さをひしひしと深く感じることができた。これらの経験がいまの私の制作における大きな動機となっています。

ホワイトボード

エッセイ

「笑う」ことの大切さ、あるいは屁をめぐる話

2021/7/4    ,

 屁が出るのは仕方がないことだものね。  今朝は変なこと言ってごめんなさい。  屁ばっかりふってください。  もっと。  これは、パートナーと日々の情報を共有するため、トイレにかけてある小さなホワイト ...

バラ

エッセイ

優しい人

2021/7/2    

 がん治療を続けていると、がん患者さんや家族にとっていろんな意味で転機となる、担当医や教授からの治療の説明というイベントがあります。内容によっては家族で打ちひしがれたり、明るい希望を持ったりと割とドラ ...

雪だるま

エッセイ

余命6か月と言われたら

 40代後半、九州で放送作家をしています。思い掛けずがんを患いました。がんになった自分がいま経験していることや感じていること、楽しんでいること(これが一番多いかな)を書くことで、大きな不安の中で生活し ...