エッセイ

生き残った意味を探して——がん患者として、今できること

しばらく更新が止まってしまっていたこのブログを、また書き始めることにした。

なぜか。

理由はいくつかあるけれど、一番大きいのは、「生き残った意味」を考えるようになったからだ。

末期がんから生還できたということは、何らかの役目があるのではないか。そんなことを思うようになった。ブログやYouTube、患者会を通じて出会う人たちは、がん治療の不安や苦痛、絶望と向き合いながら毎日を生きている。あの頃の自分もそうだった。

同じ苦しみを味わった人間として、そんな人たちを見過ごすことはできない。だから、また書かなければならないと思った。

そして、もうひとつ。

ブログの更新が滞っていた間に始めた写真が、思いのほか多くの人に見てもらえるようになった。言葉にならないものを、写真に込めることもできるのかもしれない。これからは、写真もこのブログで紹介していきたいと思う。

それから、仕事のことも少しだけ。

がんになったことで、長年関わってきたテレビの仕事から雇い止めにあった。構成作家として、ずっと番組に寄り添ってきたけれど、病気になった途端に切り捨てられる現実に、正直辟易した。

でも、それをきっかけに新しい道を歩み始めた。今はビジネスコンテンツライターとして、プレゼンやスピーチの原稿を書き、企業のコンセプトや経営戦略の言葉を作り、セミナーや研修の設計もしている。

がん患者にとって、治療と就労の問題はあまりにも大きい。仕事を失う人もいれば、治療と仕事の両立に苦しむ人もいる。僕の経験が、「医療×社会×経営」の視点で役立てるのなら、それを形にしていきたい。

いつか、この経験を本にまとめることも考えている。

書くことで、誰かの支えになれたら。
そんな思いで、またここに言葉を綴っていこうと思う。

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山口 和敏

熊本を拠点に、テレビディレクター・ライターとして30年以上活動。 2019年、希少がん「上顎洞がん」で余命6か月を宣告される。抗がん剤、放射線、14時間におよぶ手術を経て右目を失ったが、「どうせなら楽しんでしまおう」と開き直り、ブログとYouTubeで発信をつづけている。現在は動画制作コンサルおよびビジネスコンテンツライターとして活動しながら、がん患者の「仕事と治療の両立」や前向きな生き方を届けることをライフワークにしている。片目になってからLeicaを手に取り、光と影の中に生きる力を探す写真家として、もうひとつの表現を歩み始めた。失ってはじめて、世界の"本当の表情"が見えてきた気がしている。病気になっても、失っても、人生は終わらない――その希望を、誰かに届けたい。

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